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 1948年兵庫県生まれ。
 早稲田大学文学部卒後、広告代理店勤務などを経て、'80年『海を越えた者たち』(すばる文学賞入選)でデビュー。
 '88年『漂流裁判』で第6回サントリーミステリー大賞受賞、'89年『遠い国からの殺人者』で第101回直木(三十五)賞を受賞する。

 代表作に『にっぽん国恋愛事件』『砂漠の岸に咲け』『推定有罪』『別離の条件』『女たちの海峡』『愛をゆく舟』『旅人岬』など。幅広い作風のなかで、とりわけ裁判や男女関係のミステリを描いた作品が好評。

 近作に、『愛闇殺』『彼に言えなかった哀しみ』(共に早川書房)や『賢者の占術 殺しの相性』(携帯連載小説)がある。現在はタイのバンコクを拠点に、「地球塾」に取り組んでいる。
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2009.03.24 / Top↑
 鎖国してからも、唯一の交易拠点、長崎の出島にはポルトガル人(その船舶の渡航禁止まで)とオランダ人が出入りしていたが、彼らとて、すでに植民地化がはじまっていた東南アジアから黒潮に乗ってやってきた。出島には、中国人も出入りを許されていたが、日本と中国の間に横たわる玄界灘、東シナ海の荒波は、航海に相当な困難をもたらした。

 さかのぼれば八世紀の奈良時代、鑑真などは何度も渡航に失敗し、失明までして日本に辿り着いているし、遣隋使、遣唐使、さらには空海、最澄らの渡航も非常な困難をともなったもので、いまでは二時間余りで飛ぶ距離を一ヶ月ほどもかけて航海した。

 従って、中国文明、文化というものが日本に影響を与えた、その経路というのは、朝鮮半島経由のほか、南方を経由してきた部分もあったことは確実視されてきた。とくに距離的に近い沖縄本島や、南西諸島の与那国島にある海底遺跡などから、古代中国との交流を裏付けるものがさまざま発見されている。

 また、縄文人のルーツと目される「港川人(みなとがわじん」(沖縄本島具志上村港川、約一万八千年前)は、現在より海面が百三十メートルほども低かった最終氷期に東南アジアから徒歩で、あるいは島伝いにやって来た人々であり、さらにその集団の一部が北上をつづけて南九州へと向かい、縄文人の祖先となり、爪形文土器に代表される縄文文化を生み出したと考えられてきた。

 その後、津波や火山の噴火などの天変地異によって、南九州及び南西諸島の縄文人は、日本本土へ向うグループのほか、遠く南太平洋の島々へ、さらには南北アメリカ大陸へと渡っていった形跡がある。従って、ポリネシア、ミクロネシア、メラネシア等に住み着いたモンゴロイド(その代表がニューギニア東方のニューアイルランド島に住みついてラピタ式土器を製作したことで知られる「ラピタ人」)は東南アジアを起源として北上し、いったんは沖縄本島ほか南西諸島や揚子江河口域及び台湾を含めた南シナ海域に住んでいた集団(海洋民族)であったことが、その生活遺跡からの出土品のほとんど(ヤムイモ、タロイモ等の芋類から豚、犬などの家畜やバナナやココヤシなどの果樹類)が東南アジア起源のものであったことから、ほぼ定説とされてきた。

 ここで話は変わる、いや大いに関連してくるのだが、「日本人のルーツは東南アジア? 研究グループがゲノム解析」といった見出しの記事が新聞等で報道されたのは、二〇〇九年十二月のことだった。

===以下、引用。

〔アジアの諸民族の遺伝学的な系統関係が、日本などアジア十カ国の研究者による国際共同研究で明らかになった。言語や文化の異なる七十三集団(約千九百人)を対象に、ゲノム(全遺伝情報)の個人差を詳細に解析した成果で、十一日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。日本、韓国など東アジア人の祖先は、数万年前に東南アジアから移住した可能性が高いという。

 現生人類(ホモ・サピエンス)は一〇万~二〇万年前にアフリカに出現し、世界各地に進出した。東アジア、東南アジア地域への移住ルートには諸説があり、はっきりわかっていない。
 研究チームは、一塩基多型(SNP)というゲノムの個人差に基づいて、集団間の近縁関係を解析した。その結果、遺伝学的な系統と言語学的な近縁性はよく一致。たとえば、日本人の集団は本土住民、沖縄住民ともに韓国人と近縁で、言語学上はアルタイ語族に属する。また、ゲノムの多様性は全体として、南の集団から北の集団に向けて枝分かれする傾向がみられた。

 日本から研究に参加した菅野純夫・東大大学院新領域創成科学研究科教授は「遺伝子の大きな流れからみると、日本人を含む東アジア集団の起源は東南アジアにあると推定される。ただし、今回の解析にはアイヌなど北方の民族が含まれていないので、反論の余地もあるだろう」と話している。
 ゲノムの個人差の集団的解析は、薬の効き方や副作用に関係する遺伝子研究の基盤情報になる。(※2)〕

===
(※2)出典―「ゲノム解析 日本人のご先祖 東南アジア出身?」産経新聞、2009年12月11日7時56分配信。各紙はこの発表の骨子を記事にしている。
2013.11.04 / Top↑

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