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2009.07.01 / Top↑
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2009.07.02 / Top↑
トムヤム<作り方講座>

 ふつう、底が深めのフライパンを使って作る。混ぜて煮るのにフライパンというのが、最初は意外だった。ところが、料理教室でおそわった極秘は、クツクツと長く煮るのではなく、激しく(つまり強火で)、短く(アッという間より少し長めに)煮る、ことだという。

 これはタイ料理全般にいえることであるらしく、従って、レストランでもあまり待たないで食べられる。そういえば、どの店でも、長々と待たされた憶えはない。我の行きつけだった食堂の主人は、トムヤムをそれこそアッという間に作ってしまったものだ。名人といってよい優秀なコックで、残念なことにスウェーデンのタイ料理店に引き抜かれてしまい、今はかの地にいる。

 この英語がぺらぺらのタイ人(中国系の血が混じっている)に、我は何かとお世話になったのだが、いずれは何とか日本へ行きたい、スウェーデンは寒くて遠くていけない、と先日、メールをよこしたばかりだ。奥さんと一人息子を残しての出稼ぎだが、タイ料理もコックの腕によって旨さが異なる、大変な差があることを思い知らされたのも、彼に会ってからである。

 さて、まず、フライパンにチキン・スープを入れて火にかける。
 前述の香菜(パクチは根のみ)を次々と入れる。
 適当なところで弱火にし、丸茸(2等分)とトマト(小ぶりのものを4等分)を加える。

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小ぶりのトマト


 2、3分煮たところで、クンなら海老、ムーなら豚肉、カイなら鶏肉を入れることになる。この時、海老や肉を入れるのが早すぎてもいけないし、長く煮すぎてもいけない。このへんの加減も大事である。
新鮮なクン(エビ君と我は覚えた)であれば、ちょっと煮足りないかな、という程度がよい。豚や鶏肉も煮すぎると固くなっていけない。これに無頓着な店や材を手抜きする店がたまにある。

 ほどよいところで火を止め、ナムプラー、ナム・マナウ(ライム汁)、唐辛子(前述のプリック・キヌゥ、英名は、もしくは、それより大き目のプリック・チーファー、英名は)を適当に刻んで入れ、さらに、パクチの葉、刻んだネギを入れる。味見をして、もう少し辛くしたければ、チリ・ペースト(市販のものでよい)で調整する。

 それぞれの具材の量については、我が学んだ教科書には一応書いてあるけれど、ただの目安であるから、あまり意味がない。エビ君が好きな人はどっさり入れればいいし、トマトが好きな人はスープが赤く染まるくらいに入れても一向にかまわない。

(ちなみに、唐辛子と同じナス科に、特大の、我々がピーマンと呼んでいるプリック・ワン(甘い唐辛子の意でまったく辛くない)や、少し辛みがあり、小型で長細いプリック・ユァクがあるが、両者ともトムヤムではなく他の野菜や肉<豚、鶏>との炒め物やサラダに使われる。)
2009.07.03 / Top↑
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 トムヤムの味のポイントは、唐辛子の分量もさることながら、ライム汁の量も影響する。酸っぱいのが好みなら、これを多めにする。我の場合がそうで、マナウをたくさん入れてくれ、と注文をつける。

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市場のマナウ売り場


 タイ料理の真骨頂は、こうして好みによって具材の量や味を調整できる、いろんな味にできる、ということだろう。先に記した唐辛子(プリック)の種類や量の加減だけではなく、その他の材の取り合わせによって、その人、その家庭の味をつくることができる。

 例えば、我の友人のタイ人家庭では、めずらしく辛いものが苦手であるため、お手伝いさんが実にさっぱり味のトムヤム(その他もあまり辛くない)を供する。我には大いに物足りないのだが、旨いことに変わりはない。つまり、それなりの具材のハーモニーが醸し出されているからだ。

 そう、タイ料理は多様な材のハーモニー(混ぜることで生まれる)が真髄なのだ。唐辛子の辛さをレモングラスやガランガル(「カー」と呼ばれる生姜の一種で日本の生姜より細長く固い)が緩和させ、パクチやレモン汁の香りと相まって、独特の風味となる。

 恍惚のトムヤムとは、つまるところ、その人にぴったりと合う、絶妙のハーモニーを醸してはじめて可能となる、なかなか奥の深いものなのである。
2009.07.04 / Top↑
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2009.07.04 / Top↑
 ところで、味覚というのは、ある意味で残酷なものだ。いったんうまいものを食すると、その記憶がしっかりと根をおろし、それ以外のものは旨くないと感じてしまう。まずいとまではいかなくても、さしたる感動が得られない。

 余談だが、キムチでも我はそれを経験している。知友に招かれたソウルの家庭で、奥さんのつくる家伝の(秘伝で誰にも教えないらしい)それのうまさといったらなかった。以来、どんなキムチを食してもうまいと思ったことがない。これは悲劇だ。

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筆者のタイ料理教室卒業証書


 我がアパートメントの界隈には、現地人のいくうまい店がいくつかあって、そこで食べなれているから、日本へ帰ってもタイ料理店へ行くのは人と付き合う時のみ。丸茸(ヘッ・ファーン)をエノキで代用している店があるように、やはり、どこか足りない、抜けているものがあるためか、いま一つ、ハーモニーの質がハイレベルには達していないところが多い。これはしかし、輸入できる材や質の問題があって、やむを得ないというべきだろう。

 そうはいっても、日本にいる間、どうしても恋しくなることがあって、そのときのために、我は材料を買って帰る。
 まず、固形にされたスープの素。これはトムヤムの素とチキン・スープの素を買う。これらは数十個入りのパックがあって、街のスーパーで売っている。よくみないと、豚味スープの素も似ているから注意。これもチキン・スープの代わりに使えるが、トムヤムの素と間違ってはいけない。

 あと、香辛料、香菜の類だが、ほとんどのものが乾燥加工され、缶に入れて売られている。これも街のスーパーで手に入るが、帰国の際、空港の食品売場で買うこともできる。小ぶりの缶に入っているので、実に軽くて便利。

 その際、ココナツ・ミルクの缶詰も忘れずに買う。(米国系の航空機に乗る場合、これは街で買って預け入れ荷物に入れたほうがよい。つまり、缶詰といえども中が液体なので、それを開けてテロの兵器とする可能性があるとみるためだろう、我は哀れにも没収された経験がある。)
2009.07.05 / Top↑
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2009.07.06 / Top↑
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2009.07.09 / Top↑
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2009.07.10 / Top↑
 このココナツ・ミルクなるものには、好き嫌いがある。牛乳と比べると、本質的に違うことがわかる。我は牛肉を食べないように、牛乳も飲まないのだが、あっさり度、さっぱり度がまるで違う。わが口にすんなりと馴染むのは、だんぜんココナツ・ミルクのほうで、これを拒み、牛乳を好む人がいるけれど、我には解せない。これまた洗脳されて、ミルクといえば牛乳でなければならない、と決めているからか。動物のミルクに馴らされた身体が、植物のミルクへと、うまく転換できないのだろうか。

 牛乳の是非についてはしばしば議論されていて、カルシウム源なら他からとったほうが身体のためによい、という人がいる。25年しか生きない哺乳類(およその寿命)の乳など飲んで身体にいいわけがない、と乱暴な意見を吐く人もいる。

 が、ココナツ・ミルクについて、その種の難癖をつける人はいない。好みの問題だけで、身体によいことには異論がない。ミネラル類はむろん植物性タンパクも含まれていて、申し分がない。ココナツの多様な用途(石鹸、オイル、化粧品、肥料、繊維製品、装飾品等々)そのもののように、それは栄養素的にも秀逸である。

 そして、これが実は、唐辛子ほか香辛料の辛さをやわらげるのに適している。どういう組織反応を起こすのかは知らないが、これを受けると、さしもの唐辛子もグンとおとなしくなる。相当な激辛でもまろやかな辛さにしてしまう、これが不思議だ。

 ココナツ・ミルクは、タイ語で、ガッティ、という。それの入ったトムヤムは、トム・カー、といい、ヤムが抜ける。カーは、前述したガランガル(固い生姜の一種)で、薄く切って入れると、これまた辛さをやわらげる役目をするから、ガッティと協力して唐辛子をなだめるわけだ。

 あとは、それぞれ好みの材の名を後につければいい。トム・カー・クン(海老)、トム・カー・カイ(鶏肉)、トム・カー・ムー(豚)、トム・カー・タレー(海鮮)といったふうに。

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トム・カー・カイ


 ココナツ・ミルクが嫌いでない人、辛さを抑えたい人には、これがおすすめ。トムヤムが好きな我も、これはこれで美味、劣らず旨いため、しばしば発注する。

 あと、トムヤムのセットがやはり乾燥加工して売っているが、これは味が一定で,好みに合わなければどうしようもない。それより、各品を一定量、別々に買い、濃い味がいいならスープの素(固形)を増やすなど、それぞれの香辛料、香菜を好みに応じて配合するほうがいい。
2009.07.10 / Top↑
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2009.07.11 / Top↑
<香菜の使われ方>
 市場にいくと、実にさまざまなものが山と積まれている。それらの葉や茎や実を、時に細かく切り刻み、粒や粉にし、時に大まかに切り裂いて、食材や副食とする。

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バイマクー<こぶみかんの葉>


 一つの香菜がいろんなふうに使われる。例えばレモングラス(タ・カーイ)は、トムヤムには大ぶりに切って香り材として使うが、それをみじん切りにすれば、これまた芳しい食べ物となる。

 いずれ述べることになるが、ヤム・何とかという、これまた代表的な混ぜ料理の多くに、それをふんだんに使う。トムヤムで客が食べ残すことになるそれは、まだまだ使えるわけで、それを取っておき、みじん切りにして再使用している店があるのかどうかは知らないが、別に客がかじったわけでもなし、捨ててしまうのはもったいない、と我は思う。

 もったいなくはない、とタイ人ならいうだろう。というのも、いくら捨てても、どんどん捨ててもまだ余る、いや、捨てるほかないほどに、それらは膨大な量で繁茂し、日々、市場を満たすからだ。これを南国の豊饒といわずして何といおうか。

 米(場所によっては3期作)はもちろんのこと、野菜、果物の類も、この国の人口が倍になってもまかなえるにちがいない。今現在、7千数百万程度だが、国土は日本の倍ほどあるから、余ってしかたがない状態である。

 といって、捨ててばかりいるかというと、そうではない。レストランなどで、食べのこした皿があれば、しっかりと持ち帰る。店員もそれは心得たもので、それ用のパックやビニール袋(これらがしっかりと用意してある)に包んでもたせてくれる。

 豊富な材料は古くなれば捨てるけれど、せっかく調理して、お客がお金を払ったものを、置いていくのはもったいない、ということは当然のごとく理解している。いったん調理したものを大事にする姿勢がしっかりとある。このへんがわが国とは違う、みならうべき点であると思うのだ。
2009.07.11 / Top↑
 我が子供のころ、母親はたまにレストランへ連れていってくれたものだが、しっかりと弁当箱を携えていた。子供たちが食べのこしたものをそれに入れて持ち帰るためで、我は幼心にリッパなことだと感じていた。恥ずかしいからやめてくれと非難したのは姉たちで、どうして咎めるのか、我にはわからなかった。

 そういう幼児体験とタイの習慣(くせ)から、我は日本でも、時々これをやる。弁当箱はふつう持ち合わせていないけれど、ビニール袋はカバンの中に入っていて、余ったものを店員の目をぬすんで入れるのだ。見られると、やめてください、と叱られるので、こっそりとやる。

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街角の食堂 キチン


 先ごろ、我の居るアパートメントの女主人とその一家が日本に遊びにきて、新宿で食事をしたとき、から揚げの皿を二つも頼んでしまい、というのも一皿にそんなにたくさん盛られてくるとは知らなかったからだが、そっくり一皿ぶんが余ってしまった。

 そういう時にかぎって、ビニール袋を持ち合わせておらず、我は思い切って、ダメもとで、「これ、持ち帰りたいんだけど包んでもらえませんか」と、店員にいってみた。すると、ブスっとした顔になって、「そういうことはしていないんですけど」と、案の定であった。

 そこで我が引き下がったかというと、そうではない。紙ナプキンがあったので、それを引き抜いて二枚重ねにし、店員が離れたのを見はからって、一つずつ包んでいった。タイからの客人たちは、にこにこしてそれを受け取り、ありがとう、といい、大事そうにバッグに仕舞い込んだのであった。

 夜中にお腹がすいて、それを食べたかどうかは知らない。そんなことは問題ではない。せっかく店のコックが作ってくれた料理を、そっくり残していってよしとする店の姿勢が我にはわからない。お客が残したものは、折に詰めなくてもいいから、簡単に包んで持ち帰ってもらう、という考え方がなぜできないのか。

 冷たい国なんですよ、と同伴の日本人は吐き捨てたものだが、冷たいとか暖かいといった次元の問題ではない。わが国はどうかしている、と断言してよいほどに、今現在の日本のおかしさ、奇妙さを、こんな些細なことですら示唆して余りある。
2009.07.12 / Top↑
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2009.07.13 / Top↑
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2009.07.14 / Top↑