私自身も六十代の初めころまでは吸っていたわけで、偉そうなことはいえないのですが、それを棚に上げていうならば、どうしてもっと早く止めなかったのかと、これは酒についてもおよそ同様にいえる後悔をおぼえます。いくら悔いても後の祭り、どうにもなりません。が、まだどうにでもなる若い人の参考までに、その後悔の中身について、少し話しておきましょう。

 それは、経済面での支出、無駄使いもさることながら、肉体的損失ともいうべきものが実感としてあるためです。タバコをやめて一年くらい経ったとき、以前の体力の三〇パーセントくらいは増していることに気づきます。やめた理由が主に年齢からくる体力減退を意識したことによるものだったので、よけいにそれを感じとったのでしたが、それはすなわち、喫煙時においては、本来の体力が大幅に目減りしていたことを意味するものでした。
2016.02.29 / Top↑
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